厳格化必至!?経営管理ビザ

2025年8月現在、経営管理の要件厳格化が国会で議論され始めました。
制度が変わる前にかけこみ申請したいという方も増えるかもしれません。
今回は、経営管理ビザと外国人が日本で起業する手順を解説します。

2025年8月、国会で経営管理ビザの要件を厳格化することについて議論が始まりました。
2025年内を目標に一気に厳格化される可能性大

2025年の参議院選挙では、外国人について様々なことが論点に挙げられました。
その中では、居住目的で経営管理ビザを取得されている実態があるということも指摘されていました。
在留資格はその活動内容に対して許可をしているので、経営しにきたんじゃないの?ということですね。
ペーパーカンパニーを作って、事業の実態がなくて、いったい何やってんだ?ってことです。

今の制度体系でも一応、そういうことがないように審査されていることになってはいます。
申請の段階で事業計画書を提出し、事業の実態や経営基盤が審査されているので、ペーパーカンパニーのように会社が登記されてればいい、というようなことはないはずなんです。でも審査項目の緩さなどがあり、外国人の人たちもそこに気づき、目的外活動を可能にしちゃってるって実態なのです。
なので、法改正を要しない運用変更として、2025年7月17日からは更新申請の際に、「事業の経営又は管理に関する活動内容を具体的に説明する文書」が必要になりました。

そして2025年8月20日のニュースで、国会で要件の厳格化が議論され始めたと報じられました。

記事の中では現在の資産要件500万を一気に6倍の3000万に引き上げるとあります。たしかひろゆきさんも討論番組か何かでそんなこと言ってましたね。
実際なぜか日本は極端に要件が低く、3000万という数字は他国並みではあるので、近い数字に落ち着くのではないかと予測しています。
居住目的の人たちの排除の効果は期待できますが、志やプランはあっても資金が乏しい若手起業家たちにとっては大変大きな変更ですね。
事業計画がしっかりしてて、志があるのならクラファンや投資家たちが出してくれるでしょ、それがアピールできないってことは能力が足りないってことですね、という理屈でしょうね。
年内施行をめどに議論を進めるとのことなので、駆け込み申請も増えるだろうと思っています。

なので今回は経営管理ビザの取得と、事業開始の流れについて解説してみたいと思います。

経営管理ビザとは?
そもそも経営管理ビザとはどんな在留資格でしょうか

[社長ビザ]
経営者なので、想像通り代表取締役などいわゆる「社長さん」が一般的に想像されるところですが、取締役や監査役などいわゆる「役員」と呼ばれて経営や会社の意思決定をする人たちも経営管理ビザになります。
社員をたくさん抱えた商社や大規模工場などはイメージしやすいですが、レストラン経営などももちろん経営者です。
そして、2015年以降は個人事業主も経営管理を取得できるようになってるので、個人で貿易商などをやってるという方も該当します。

[ちょっとイメージしにくい管理業務]
経営に比べて、「管理」業務はちょっと定義があいまいなところがあります。
「支店長」や「工場長」などの上級管理職として部下を指揮監督する人ですね。
同じく大きな会社なら想像しやすいですが、例えば数店舗をチェーン展開する居酒屋で社員として任されてる店長はどうなの?、というと該当しない可能性が高いのですが、0でもないところです。
お店に立って調理や接客がメイン業務だと管理業務じゃないですよね。
逆に日々の業務の8割が仕入れ先選定や、価格戦略の立案、人事、財務などのデスクワークであれば、経営管理の該当性は出てきます。

ビザ取得の主な要件
経営管理ビザを取得するためには、主に以下の4つの要件を満たす必要があります。

日本での事業が安定して継続できるかどうかを判断されるんですね。

事業所の確保:日本に事業活動を行うための独立したオフィスが必要です。事業の内容にもよりますが、バーチャルでも可能です。

事業規模:会社設立時に、原則として資本金500万円以上を準備するか、常勤職員を2名以上雇用する必要があります。→ここが今回の変更が検討されているところですね。

事業の安定性・継続性:ビジネスのアイデアだけでなく、具体的な収益計画や資金計画など、事業が安定的に継続できることを示す必要があります。

報酬:経営者・管理者として、日本人と同等以上の報酬を受け取ることが求められます。

実際には、「説得力のある事業計画書」が肝で、あとは登記情報・財務諸表・通帳画像などを提出することになります。

ここは後述します。

ビザ取得・会社設立の「3つのステップ」
経営管理ビザは事業をするためのビザなので、当然事業がなくては許可されません。でも起業なのでまだ事業がない状態から事業を始めるににもビザがないと銀行口座も作れないし、事務所の賃貸契約もできないし不便ですよね。
昔は実際、日本に協力者をたてて、その人が設立して会社ができあがってからしかビザ申請できず、そうすると入国してから代表の交代手続きをして…と、かなり大変でした。
2015年の法改正で、「投資経営」という呼称から「経営管理」になる際に「4か月」という在留期限が設けられ、起業準備活動のために入国することができるようになりました。

step1:入国準備と「起業準備ビザ」の取得
このステップでは、日本に入国して会社設立を行うための足がかりを作ります。

この段階では何より「事業計画書」です。
入管が納得できるビジネスのアイデアとプランをまとめて、在留資格認定証明書交付申請を行います。
審査には1~4か月くらいかかります。
無事許可がおりたら「認定証明書」というものが発行されるのでそれを持っていくと在外日本大使館でビザを発行してもらうことができます。
あとは入国審査で引っかからなければ在留カードが発行され日本に入国です。
入国したらまず住民登録ですね。同時に印鑑登録もしてしまいましょう。
ここが大事なところで、4か月の準備ビザがなかったころは、短期滞在で入国しても住所情報が内ので、住民票を発行、印鑑証明書取得、銀行口座開設
などができず、日本人の協力者がいないと設立ができないし、設立できないとビザ取れないしの矛盾が発生していたんです。

step2:会社設立と事業開始
次に直面する大きな課題は、銀行口座の開設です 。
在留カードを取得したとしても、4か月という在留期間の短さを理由に、多くの都市銀行で口座開設を断られるケースが少なくありません 。

地方銀行や信用金庫など、比較的柔軟な対応が期待できる金融機関を検討することが有効です。
事業計画書や資金証明書を持参し、事業の実体性をアピールすることも重要です 。
銀行口座開設と並行して、事業所の確保を進めます。
多くの賃貸契約は1年以上を前提としているため、4か月ビザの保持者には賃貸が困難な場合もあります 。
短期間の契約を認める物件を探したり、保証金を増額する交渉をしたり、保証会社の利用を検討したりするなど、事前の対策が求められます 。
これらの準備が整い次第、資本金の払込、定款認証、法人設立登記、税務署への各種届出などを完了させます 。
特に、事業内容によっては、許認可の取得が必要となる場合があり、これには数か月を要することがあるため、4か月の期間内に完了できない場合は、その旨を更新申請時に示す資料を提出する必要があります 。  

以上が完了していよいよ事業開始です!

4か月ビザは、「日本に協力者がいなくても会社設立が可能」という理念で設計されました 。
しかし、実際に来日すると、銀行や不動産会社といった民間事業者が、法務省の意図とは異なる独自の基準を適用するため、実務上の困難が残るのが現実です。
この制度の設計と現実の乖離を認識し、計画性、実行力、そして我々行政書士などのサポートを最大限に活用することが、この期間を乗り切るための不可欠な要素となります 。

step3:長期ビザへの更新手続き
4か月ビザはあくまで準備期間であり、その後も日本に滞在し事業を継続するためには、1年、3年、または5年の長期ビザへの更新申請が必要です 。
更新申請は、4か月の在留期間内に行う必要があり、受理されていれば在留期間の特例が適用されます 。  
更新審査では、新規申請時とは異なる観点が重視されます。
新規申請では「事業計画」の実現可能性が問われましたが、更新審査では「事業の安定性・継続性」と「経営者の活動実態」が厳しく評価されます 。  
具体的には、会社の財務状態が最も注目されます。売上が一定水準に達しているか、継続的に事業を行っている明確な証拠があるか、そして売上総利益(粗利益)が安定して計上されているかなどが審査されます 。
さらに、申請者自身が事業の経営・管理に実質的に関与しているかどうかが確認され、単なる名義貸しではないことが求められます 。
また、従業員を雇用している場合は、社会保険への適切な加入など、事業者としての法的義務を履行していることも重要な要件です 。

弊所のサポート内容
4か月ビザが導入されたものの、実際には4か月は随分短いです。
弊所に相談いただければ下記のようなサポートを行います。

入国前サポート
・在留資格認定証明書交付申請

入管への申請書類の作成・申請の取次を行います。

・事業計画書作成サポート
せっかくのアイデアも頭の中にあるだけでは入管は認めてくれません。
事業業計画書という形に落とし込むことで初めて入管は審査をしてくれます。
おてつだいする中で、課題をみつけたり、新しいアイデアを産み出されることもあります。

・定款原稿作成
4か月の短い期間なので入国してから定款をつくるのではのんびりしすぎです。
4か月を無駄なく使えるように入国前にできることは先に形にしてしまいます。

・不動産屋・金融機関探し
同じく入国後の業務をスムーズに進められるように、事情を理解した不動産屋や銀行を紹介いたします。

入国後サポート
印鑑登録など、日本の役所の手続きはまさに我々行政書士の専門分野です。
口座開設のサポートから司法書士と連携した設立登記、必要な方は許認可の申請まで事業主様に必要な手続きを徹底的にサポートします。
税理士などの士業や、組合団体、事業に必要になる協力者の紹介・おつなぎまでお頼りいただけます。

設立後サポート
事業がスタートしたら、1年、3年、5年の本ビザへの更新申請をお手伝いしたら業務完了です!
事業の発展を祈りつつ、更新手続きが必要な頃には手続きのご案内をいたします。

改正が決まるとかけこみ申請で混み合います
改正の本旨へのご理解をお願いしています。

実際に改正が決まればおそらく多くの方が改正される前に申請しようとすると思われます。
もしかしたら行政書士も対応しきれないなんてこともあるかもしれません。 早めの申請をお勧めしています。
ただ、改正前だからと言っても実体のない会社などは現行法でも不法です。
日本で頑張りたい!という起業家は全力でお手伝いしますが、居住目的など、不正な申請のお手伝いはお請けしかねますのでなにとぞご了承お願いします。

時間をかけて育てた人材は宝です。そんな人材をみすみす失わないためにも2号への移行は計画的に進めましょう。
また、2号への道は1号で就職する外国人自身にとっても大事です。
就職の際にしっかり説明できれば本人たちの大きなモチベーションにもなります。
まだ運用されて期間の短い制度でさらなるブラッシュアップも望まれるところですが、雇用主・従業員ともに制度の理解を深めて事業によりよい効果をもたらしてください!


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